ライティング心理セラピーの体験談(感想) A.Kさま
2023/10/08
新しく始まったプログラム「ライティング心理セラピー」の体験談(感想)をお寄せ頂きましたので、ご紹介させて頂きます。
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今回、ライティングセラピーを初めて受講し、一番に感じたのが「自分の書いていることを読み上げることで、こんなに明確に自分の気持ちと向き合わされるのか」ということだった。実は、2週間ほど前にはお題をいただいたのだが、書きあがったのはお稽古の30分前。お題をいただいたときには、2 週間もあれば余裕だろうと思っていたが、全くそんなことはなかった。初めの10日ほどは、どんな出来事を中心に書こうか毎日考えあぐねていた。
とりあえず一つ、書きだしたもののうまくまとまらない。何回か書き直したが納得いかなかったので、別の内容で書き始めた。こちらはするすると書きあがったものの、細かい表現や自分の気持ちが適切に言葉にできていないと感じ、講座当日まで書いたり消したりしていたのだ。講座ではまず初めに自分で文章を読み上げる。なんのことない始まりなのに、もうここで涙が出そう。この状態は一体なんだ、と頭の中がせわしなく動く。しかし、文章を最後まで読み上げなければならない。なぜこんなに涙がこみあげてくるのか。冷静になりたい自分と、泣いてしまいたい自分とが一緒に文章を読み上げた。
読み終わるとしばし、自分の状態を確認する。文章を仕上げたときは「もうこれで表現したいことは表現した」という一つのゴールテープを切ったことが大きな割合を占めていた。しかし、読み上げてみると、自分が知らなかったあるいは長年無いものとして扱っていた、自分の中からこみあげる気持ちに向き合わざるを得なかった。その後、先生から「この言葉を使っているということは、こういうことだね」といったように、いろいろな箇所に講評をいただく。そうすると、書いている時は「この表現がベスト」と思った言葉を選んだ理由が、認識できる。そこで初めて、自分がどういう風にこのことを捉えていたのか、当時の自分の認識やそこから今に至るまで、どういう風にその出来事を理解していたのか、やっと認める気になる。今までは本当の意味での認識をしていなかったのだなと思う。
こうして、たった1200文字の中に詰まった私のいろいろな気持ちと向き合ったのも、自分の身体にこうもダイレクトに作用し、その意味を先生が解釈してくださったからだが、何より「今の私に必要なテーマ」を的確に選んでくださった先生のおかげだと思う。講座が終わった後は何とも言えない、今まで隠していた気持ちを素直に外に出せた、スッキリしたともまた違う、曇ったガラスの曇りを取ったような、そんな気持ちになった。この感覚は今までの人生で体験したことのない感覚で、とても心地よい感覚だった。
ジャーナリングとは全く異なる不思議な体験、ぜひまた受講したい。そしてこの講座はどんな人にもお薦めしたい。私みこれは「人に聞かせるために書いた文章を自分が読み、自分の感情や反応を自覚し、それに対して分析を入れてもらう」という自分一人では絶対にできない体験だからだ。
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このセラピーは、実は13年エッセイ教室として開講してきた文章講座の中から派生しました。合評形式という形で毎月文章を学んでいる方々の感想の中に「書くことで、自分を俯瞰できる」というものがあったからです。そして、文章というものは人に見せる前提で書いていくので、ある程度自分の中で咀嚼できていないと(腑に落ちていないと)上手に言語化できないという性質を持っています。ここが文と文章の違い、文は自分だけが判るものでも可能ですが、文章になると明確に人に伝えることが前提となるため、言葉のチョイスが変わってくるのです。
この特性を活かすことで自らの体験を客観視できることから、精神療法の1つとしても文章を書くことは活用されています。ライティング心理セラピーは個室を使い、他者がいない安心できる空間で自分の心や体験を前に講師と二人で客観視し、その体験の理解や解釈を変えていくものです。今回体験談をお寄せ頂いた方の場合、ご本人が本当は認めたかった想い(けれど蓋をしてきた想い
)を受け止める1つのチャンスになったと思っています。これを機に新しいステージへと進んで頂くことを心より願っております。
体験談をお寄せ頂いたA.Kさま、ありがとうございました。
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次はあなたが体験する番かも、あなたとあなたの文章との出会いをお待ちしております